個人事業

サラリーマンこそ副業を。青色申告を使えば「税金をコントロールする力」が身につく

サラリーマンこそ副業を始めよ。青色申告で税金をコントロールする力を身につける方法
moneycompass_admin

会社員は毎月決まった日に給料が振り込まれ、税金や社会保険料は会社が計算して、年末調整まで済ませてくれます。この一見便利な仕組みの裏で、多くの人は「税金の仕組み」や「お金の流れ」を学ぶ機会を失っています。会社員という働き方が悪いのではありません。問題なのは、会社に人生を預けてしまうことです。

これからの時代に必要なのは、会社員を続けながら「事業を持つ」という発想です。副業は、その第一歩になります。

会社は、いずれあなたを裏切ります

日本型の終身雇用でホワイト企業に勤めている人にとっては理解しづらいかもしれません。しかし「会社は、いずれあなたを裏切ります」。刺激的な表現かもしれませんが、この覚悟が必要です。

会社の使命は従業員を守ることではなく、利益を出し続けて株主に還元することです。株式会社である以上、利益を出す、競争に勝つことが求められます。その結果、リストラ、希望退職、望まない配置転換、役職定年、給与制度の大幅な変更が起きることも。しかし、これらは企業として当然の経営判断です。

「こんなはずじゃなかった」「こんなに会社に尽くしてきたのに」と思っても遅いのです。自分の人生を会社だけに依存しないこと。これがリスク管理になります。

副業は「収入を増やす」ためだけではない

副業というと「月5万円稼ぎたい」「生活費を補いたい」という話になりがちです。それも間違いではありません。しかし、本当の価値はもっと大きなところにあります。副業を始めると、売上を作る、経費を考える、利益を残す、税金を計算するという、経営者の思考が身につきます。これは会社員だけではなかなか経験できないことです。

会社員と個人では、お金の流れが違う

会社員の場合、給与から税金・社会保険料が天引きされ、振り込まれたお金で生活します。一方、事業では、売上から必要経費を引き、出た利益から税金を払う順番です。

つまり、「必要な投資をした後で利益を計算する」という考え方になります。もちろん、何でも経費になるわけではありません。事業に直接関係する支出だけが必要経費です。でも、この違いを理解すると「お金を使う」のではなく「未来への投資をする」という感覚に変わります。

「青色申告」とは何か? メリットは?

副業を継続し、事業として取り組むのであれば、ぜひ知っておきたい制度が青色申告です。青色申告とは、個人事業主やフリーランスが日々の売り上げや経費を正しく帳簿につけて税務署へ申告する制度。最大65万円控除(2027年から一定の厳しい条件で75万円控除)や赤字の繰越、損益通算といった税金の優遇が受けられます。

利用するには税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出することが必要。申請期限は、原則としてその年の3月15日まで、新たに事業を始めた場合は事業開始日から2か月以内です。会社員でも、あなたの副業が税務署が認める「事業」であれば利用できます。

開業届は出したほうがいいの?

「副業だから開業届はいらないですよね?」と聞かれます。実際には、開業届と青色申告承認申請書は別の制度です。青色申告をするために必要なのは「青色申告承認申請書」であり、開業届が未提出であることだけを理由に青色申告が認められないわけではありません。ただし、実務上は事業開始時に両方を提出しておくのが一般的です。そのほうが事業の実態も説明しやすくなります。

税務署が「事業」と認める基準

ここが最も重要なポイントです。個人の副業で問題になるのは、所得が「事業所得」なのか「雑所得」なのかという点です。

国税庁は、①営利性 ②継続性 ③反復性 ④社会通念上の事業性 などを総合的に見て判断します。例えば、ブログを継続して更新し収益化している、YouTubeを運営してアドセンス収益がある、ライティングを継続して受注している、デザイン制作を継続している、ネットショップを運営している。

もっとも「年間○万円以上なら事業」というような一律の基準はありませんし、フリマに1回出品してたまたま利益が出たような場合は、継続性も反復性もありませんから事業ではありません。

副業は「人生の選択肢」を増やすためにある

サラリーマンが副業を始める意義は、税金を理解する、お金の流れを理解する、経営者の視点を持つ、会社以外の収入源を育てることです。

副業のメリットは副収入を得るだけではありません。「リスクをとって自らの事業を育てる」という感覚は、会社員時代には得られなかった大きな財産になるはずです。副業によって税金を「払うだけの人」から、制度を理解して税金コントロールできる人へ変わるための入口です。

※本記事は一般的な制度の解説であり、個別の税務判断は税理士または所轄税務署へご確認ください。

ABOUT ME
「マネーコンパス編集部」では、お金のしくみや制度をできるだけわかりやすく解説しています。知らないと損するお金の話を、シンプルに伝えるのがテーマです。
記事URLをコピーしました