リボ払いは悪魔の契約。知らないと危険な仕組み
「毎月の支払いが一定になるので安心です」。クレジットカードの案内で、こんな言葉を見たことはないでしょうか。リボ払いは一見すると便利です。毎月の支払い額がほぼ一定なので、家計管理がしやすいようにも見えます。
今月はちょっとお金が足りない、でも買い物はしたい。そんなときに救済策のような顔をして近づいてきます。でも、その「優しさ」はあなたの味方でしょうか?
結論から言うと、リボ払いは仕組みを理解しないまま使うと、かなり危険です。怖いのは、使った瞬間に困るわけではないことです。苦しくなるのは時間がたってからです。気づいたときには、返しても返しても借金が消えない。そんな状態に入り込みやすいのが、リボ払いの本当の怖さなのです。
「リボ払い」とは何か
そもそも「リボ払い」は。リボルビング払いの略です。リボルビング(revolving)は英語で「回転する」「繰り返し巡る」という意味です。つまり、借入残高が回転しながら続くということですね。リボ払いは、返済しながら新たな借り入れもできるため、借金残高が回転し続けます。
この仕組みを見て、私は昔の会社の悪名高き先輩を思い出しました。その人は借金まみれでした。「先週、私が貸した2万円、返してください」と言うと、「今ここでもう1万円貸してくれたら、先週の2万円は返すから」と言うのです。こんなやり取りが何度も続きました。結局、私は「一体いくら貸しているんだろう」「いくら返してもらったんだろう」と分からなくなってしまいました。
もちろん、リボ払いは、合法の金融商品です。この詐欺師のような先輩の話とは違います。しかし、「借りながら返し、返しながらまた借りる」「返済しているのに残高がなかなか減らない」という構造は「リボ払い」とどこか似ています。
毎月返済しているのに、借金は思ったほど減っていない。これがリボ払い最大の落とし穴です。たとえば、10万円使っても毎月1万円。さらに追加で買い物をして20万円になっても、毎月の支払いは同じく1万円という設定になることがあります。この仕組みが、借金の全貌をわかりにくくしています。
普通に考えれば、たくさん使った月はたくさん払うはずです。ところがリボ払いでは、どれだけ使っても表面上は毎月の負担が急に増えません。そのため「あれ、意外と払えているな」と錯覚しやすいのです。
リボ払いの利率は、驚異の約15%
リボ払いの金利は、一般的に年15%前後に設定されています。もちろん違法ではありません。法律の範囲内です。しかし、メガバンクの預金金利が上昇したとはいえ0.2%前後。リボ払いの15%は、実に預金金利の75倍です。お金を預けてもほとんど増えないのに、借りると一気に増える。
リボ払いは、穴の空いたバケツで水を運ぶようなものです。毎月一生懸命、水(返済)を注いでいるのに、バケツの底に空いた穴から水(利息)が流れ続けています。穴が小さければ影響は限られますが、リボ払いの手数料は実質年率15%前後と決して小さくありません。
しかも、返済したお金は、すべてが借りた元金を減らすわけではありません。利息が発生している場合は、返済金はまず利息などに充てられ、その残りが元本の返済に回るのが原則です。そのため、例えば10万円返済しても、利息が7万円発生していれば、元本が減るのは3万円だけということもあり得ます(※長期間返済が滞った場合などの極端な例です)。
「毎月ちゃんと返済しているから大丈夫」と安心するのは危険です。本当に見るべきなのは毎月の返済額ではなく、「元本がいくら減ったのか」です。元本がほとんど減っていないのであれば、その返済は穴の空いたバケツに水を注ぎ続けている状態と変わりません。
知らないうちに「リボ払い」の恐怖
実は「リボ払いを選んだ覚えがないのに、いつの間にかリボ払いになっていた」というケースは決して珍しくありません。もちろん、カード会社が勝手に変更したのではなく、利用者が気づかないうちにリボ払いの設定に同意していることが多いのです。
たとえば、クレジットカードの申し込み時に「リボ登録でポイントプレゼント」などのキャンペーンを利用した際、自動リボサービスが初期設定でONになっていたり、小さなチェック項目に同意していたりするケースがあります。
また、「あとからリボ」や「自動リボ」の機能が有効になっていると、一括払いのつもりで買い物をしても、一定金額を超えた利用分が自動的にリボ払いへ変更されるカードもあります。
さらに、カード自体がリボ専用カードで、レジで「一括払いで」と伝えても、実際には毎月一定額しか返済されない仕組みになっている場合もあります。
こうした仕組みに気づきにくい理由の一つは、最近では利用明細を紙ではなくアプリで確認する人が増え、「支払方法」や「リボ残高」を意識して確認しないままカードを使い続けてしまうことです。毎月の請求額が一定なので「ちゃんと返済できている」と安心しがちですが、その裏では手数料が発生し続け、元本が思うように減っていないことも少なくありません。
さらに近年は、カード会社から「先月より利用金額が増えています。まだ支払方法を変更できます」「あとからリボをご利用いただけます」といったメールやアプリ通知が届くことも増えています。
利用者に支払い方法の選択肢を案内するサービスではありますが、カード会社にとってリボ払いは実質年率15%前後の手数料収入を生む重要な収益源でもあります。そのため、「毎月の支払額を抑えられる」というメリットが強調される一方で、長期間にわたって手数料を支払い続けるリスクは見えにくくなっています。
クレジットカードを利用している人は、一度、アプリや会員サイトで ①支払方法 ②リボ残高 ③リボ手数料 の3点を確認してみてください。
もし、自動リボの設定が有効になっているなら解除し、リボ残高がある場合は、可能な範囲で繰り上げ返済や一括返済を検討しましょう。リボ払いで本当に確認すべきなのは「毎月いくら払っているか」ではなく、「借金がいくらあるか」です。この視点を持つだけで、不要な手数料を払い続けるリスクを大きく減らすことができます。
