年金60万円を(月額30万円)以上、受け取れる人は1000人に1人!
年金支給日は年6回。偶数月の15日頃に支払われます。SNSでは時折、「年金が60万円振り込まれていた」という投稿を見かけます。年金は2か月分まとめて支給されるため、月額にすると30万円です。老齢基礎年金(国民年金)+老齢厚生年金を合わせた受給額ですね。
国民年金の満額は月70,608円
ちなみに、2026年度の国民年金の満額は月70,608円。この「満額」は以下の条件を満たした場合に支給されます。
●20歳から60歳までの40年間(480か月)、国民年金保険料をすべて納付していること●または免除・追納などを含め、満額となる条件を満たしていること
厚生年金は1等級から32等級の標準報酬月額で決まる
- 多くの人は厚生年金にも加入しているため、実際には老齢基礎年金(国民年金)+老齢厚生年金の2階建です。厚生年金は現役時代の給与と加入期間で決まり、人によって大きく異なります。年収が高く、40年以上加入した人ほど受給額は多くなります。しかし、月収100万円でも300万円でも、現行制度では厚生年金は32等級(65万円)が上限です。
- (参考)厚生年金保険料額表等|日本年金機構
- 標準報酬月額の最高は32等級(65万円)に該当するのは、おおむね年収800万~1,000万円以上の会社員や役員です。しかし、高い給与だけでは月30万円以上の年金は受け取れません。長期間にわたって高い給与を維持し、厚生年金に加入し続けることが必要になります。
- つまり、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせて月30万円以上の年金を受け取る人は、厚生労働省の統計では受給者全体の約0.1%、1000人に1人程度しかいません。そして、その多くは男性だと考えられます。
月30万円以上の年金受給者はほとんど男性
現在の厚生年金受給者には、非常に大きな男女格差があります。 この格差は制度そのものが男女を差別しているというより、現在80代・70代・60代が働いていた時代の雇用慣行を反映した結果です。厚生労働省の最新統計では、老齢基礎年金を含めた平均受給額はおおよそ次のようになっています。
| 性別 | 平均受給額(月額) |
|---|---|
| 男性 | 約16.7万円 |
| 女性 | 約10.7万円 |
| 差額 | 約6万円 |
つまり、女性は男性の約65%程度の年金額です。現在の年金生活者の多くが社会に出たのは1970〜80年代は、結婚退職が当たり前。大学を卒業して正社員として働き始めても、結婚や出産を機に退職する女性は珍しくありませんでした。育児休業制度もほとんどなく、女性の管理職登用も限定的という時代でした。年金額の差は能力差ではなく、「働き続けられたかどうか」の差が大きいのです。
高い年金受給者は「時代に恵まれた人」でもある
厚生年金は、現役時代の給与、加入期間によって決まります。高い年金を受け取る人とは、高収入で長い間働くことのできたラッキーな人です。大企業に入社する。大きな病気をしない。介護離職をしていない。勤務先が倒産しない。リストラに遭わない。もちろん本人の長年にわたる努力もありますが。運の要素も大きく影響します。
昭和から平成初期にかけては、終身雇用が当たり前、年功序列で毎年昇給、退職金も充実、高い経済成長、正社員の採用が中心という時代でした。本人の努力に加え、「長く勤めれば報われる」という社会の仕組みが存在していたのです。
一方、現在の若い世代はどうでしょう。転職は当たり前。終身雇用は崩れ、退職金制度も縮小し、非正規雇用も増えています。同じように努力しても、40年間ずっと右肩上がりの給与で働ける保証はありません。現在の高額年金受給者は「時代という追い風にも恵まれた人」でもあるのです。高額年金は、高年収×長期加入×時代背景が重なって初めて実現するということですね。
